
2026年8月12日から14日までの3日間、新潟県・ヨネックス パフォーマンス イノベーション センターにて、ヨネックスが大正製薬株式会社(リポビタン)および公益財団法人日本テニス協会の協力のもと推進する女子ジュニア育成プロジェクト「リポビタン Presents 伊達公子×YONEX PROJECT ~Go for the GRAND SLAM~」4期生の第4回キャンプを開催しました。
2年間・全8回に及ぶ本プロジェクトも、今回でちょうど折り返し地点を迎えました。春の大会シーズンや前回の宮崎キャンプを経て、夏の一大決戦である全日本ジュニアなどを控えたこの節目に、選手たちはインドア・アウトドア環境を兼ね備えた最新鋭の施設へ集結しました。
今回のキャンプで掲げられたテーマは、「土台は嘘をつかない〜Be a player who earns the next opportunity〜」です。
その場限りで良いところを見せるのではなく、日々の練習や取り組みにおいても自らの夢を賭けてひたむきに励む姿こそが、周囲の心を動かし、「次のチャンスを与えたくなる選手(Be a player who earns the next opportunity)」へと繋がる――。そのためには何よりも揺るぎない「土台」が不可欠であるという、プロジェクトの根本を問うメッセージです。
伊達公子さんは、今回のテーマに込めた思いと現状の課題について、次のように語りました。
「オーディションから約1年が経過して折り返し地点を迎え、彼女たち自身も前回の宮崎キャンプで『3か月後の自分の姿』をイメージして取り組むきっかけを作ったものの、正直、あまり手応えを感じないまま今を迎えているところで、もう一度『どうする?』という問い直しが必要だと感じました。
私が若い頃、コーチから『今やっていることは3か月先のためにやっている』と言われました。今日やったものが明日手に入るわけではないと気づいた時、毎日休まる暇なくやり続けなければいけないと身に染みました。小さな積み重ねが、イコール『土台』に繋がっていきます。それを本当の意味で理解してほしいと感じています」

また、技術やマインドを支える「土台」として、フィジカル面でのアプローチも重要視されました。本プロジェクトでフィジカル指導を担う川田真琴トレーナー(R-body project)は「目標がグランドスラムという場所からブレなければ、そのために何が必要か、目的意識を高く持つことができます。言われたことを部分的にこなすのではなく、何のためにこのトレーニングをやるのか、自分の目標にどれだけ真剣にコミットできるかが重要です。フィジカル面では、ただ数値目標をクリアすることやゴールすることが目的ではありません。トレーニングを通して『向き合う姿勢』や『行動・習慣』といった内面(定性)がどう変わるかを見たいです」と、期待を込めて指導にあたりました。

今回のキャンプでは、ヨネックス パフォーマンス イノベーション センターの最先端設備を活用し、技術、フィジカル、データ分析を融合させた多角的なトレーニングが展開されました。
サーブ、ボレー、ストロークといった基本技術においては、各選手の習熟度に応じた細かなチェックが行われました。単にスキルを教え込むだけでなく、「なぜそのショットが必要なのか」「どういう場面で使うべきか」を問いかけ、理解させる指導が徹底されました。
特に高1、中3の年長グループは、コートの真ん中を通す深いボールで展開を作る意識を高め、中2、中1の年下チームは、ボレーを中心としたネットプレーの感覚を磨きました。
また、今回は試合データの数値化・共有に加え、特定の選手(3名)のサーブ精度を毎日SORAコートで測定・追跡するアプローチも実施されました。全日本ジュニアを前に、全米・全豪オープンと同等のハードコートにて実戦形式のマッチ練習を行い、試合の中で浮き彫りになった課題を確認しました。

さらに、フィジカル面では「テニスは相手に合わせたリアクション、1歩目をいかに速くできるかが大事」という川田トレーナーの考えにより、鬼ごっこ的要素を加えたフットワークトレーニングなどが組み込まれ、楽しみながらトレーニングに取り組む姿が見られた。また、シャトルランなどの測定種目を取り入れ、客観的な数値を通じて自らの体力レベルと向き合い、ホームコートへ戻ってからの継続的な取り組みを数値報告により促しました。
すべてのプログラムを終え、伊達公子さんは今回の新潟キャンプ、そして今後の選手たちの姿に向けて次のように総括しました。
「今度こそ本気で変わった姿で現れてほしい、会いたい、それだけですね。次変わっていなかったら怒るかも…と思うくらいです(笑)。とは言っても、自分の頃と比べたら今のジュニアたちは本当に真面目に取り組んで向き合っていますし、それもよく分かっています。しかし、世界の成長スピードはあまりにも早くなっています。そのスピードについていくしか、今の時代に彼女たちが生き残る選択肢はありません。いつまでも子どもでいられないという現実に早く気づいてほしいと思います。
テニスは酷な個人競技ですが、そのぶん、何かを成し遂げた時の喜びも大きいスポーツです。一度自分が好きと思って突き進むと決めたのなら、一度は突き抜けて、最後までやり切ってほしいですね」

2年間のプロジェクトのちょうど中間地点となった第4回新潟キャンプ。グランドスラムジュニア出場という高い壁に挑むにあたり、目先の結果やその場の取り繕いではなく、日々のホームコートでどれだけ真剣に自らの「土台」作りに向かい合えるか。選手一人ひとりが改めて自身の姿勢を見つめ直す3日間となりました。
キャンプで得た気づきと課題を日常の行動へと落とし込み、たくましく変化を遂げた選手たちと再会できることを期待しています。
本プロジェクトは今後も、夢に向かって挑戦し続けるジュニア選手たちをサポートしてまいります。
写真/ヨネックス