元世界4位で日本テニス界のレジェンドである伊達公子とヨネックスが、ともに取り組む女子トップジュニア育成プログラム「リポビタン Presents伊達公子×YONEX PROJECT ~Go for the GRAND SLAM~」の3期生第3回キャンプが、6月11日〜12日、東京都・有明テニスの森公園インドアコートにて開催されました。
今回のキャンプは「試合を読む力」をテーマに、フィジカル、オンコート、そしてセミナーにて技術と思考をインプットしました。
キャンプ前の5月にはプロジェクト初の海外遠征を行った直後ということもあり、伊達も「2日間が短いと感じるほど、ジュニアたちはモチベーション高く臨んでくれた」と、中身の濃いキャンプとなったことを喜びました。
「試合を読む力」をテーマにした理由としては、伊達が試合後選手たちと対話する中で「今日は調子が良かったので勝ちました。今日は調子が悪かったので負けました」という内容のコメントに、少し物足りなさを感じたのがきっかけだといいます。
「試合中にその日の調子だけではなく、もう少し視野を広く持って、修正ができたらもっと踏み込んだ話ができるのに…と感じていました。グアム遠征を経てのキャンプだったので、その繋がりを感じやすく、より課題も見つけやすいため、このテーマにしました」。
また、2つ目の取り組みとしては、2月の沖縄キャンプから引き続き「セカンドサービスの精度を上げる」ことに重点を置きました。中山芳徳コーチ(日本テニス協会派遣)が選手のフォームをチェックし、気になった部分を川田真琴トレーナー(R-body project)と館崎雅治トレーナー(日本テニス協会派遣)がフィジカル面から修正し、良い動きへと繋げていくという細かい作業は、このプロジェクトの大きな特徴ともいえます。
中山コーチは「選手たちが成長していく中で、時速170キロ、180キロのサービスが打てる体の使い方、正しいメカニズムを覚えていくことが重要です。セカンドサーブの精度が上がり、ポイント獲得率も上がっていけば、ファーストサーブからの展開も自信を持ってできるようになるはず」と、現代テニスに必要な技術を、早い段階から意識していく大切さを語りました。
キャンプ開催時には、同じ有明テニスの森にてITF W15大会が行われており、出場選手の虫賀愛央、黄川田莉子、リゥ・ユハン、同地で練習を行っていた坂詰姫野らがドリル練習の相手として参加してくれ、ジュニアたちも熱のこもったラリーを繰り広げました。
プロジェクトの浅越しのぶ、森上亜希子、近藤大生コーチ、日本テニス協会の植田実、土橋登志久、手塚玲美コーチらは、コートエンドから気づいたことを即座に指摘し、練習の中でも、修正していくことを、ジュニアたちに意識させていきます。
そして、夕食後のセミナーでは、課題として出されていたプロの試合映像を見て、何を感じたのか、鍵となる部分は何であったかを作文として提出。それを一人ずつ発表しながら、「試合を読む力」について深く語り合いました。
今回、故障のため、オンコートでのプレーができなかった上村睦実は、川田トレーナーと別メニューでのフィジカルトレーニングに取り組み、「今までここまで細かくフィジカルについて教えていただいたことがないので、つらいメニューもありましたが、すごく勉強になりました」と、違った学びを得たようです。
3期生、3回目のキャンプを終え、伊達は「大会が続いたということもあり、体調が良くなかったり、故障があったりと万全でない選手もいましたが、その中でも、いい緊張感の中で凝縮した時間を持つことができました」と満足した様子。選手たちには「みんなの成長を感じたので、今回学んだことを受け止めて、ホームコートへ戻ってからさらに積み上げられるかが大切になってくるので、それを継続してまた戻ってきて欲しい」と声をかけました。
海外遠征で体感した課題を、修正、そしてスキルアップするという一連の流れとなった今回のキャンプ、夏は選手たちも多く試合に出るシーズンとなるので、どれだけ成長した姿を見せることができるのか、楽しみなところです。
日時:6月11日〜12日
場所:東京都・有明テニスの森インドアコート
参加選手:上村睦実、石井心菜、北岡美空、梅田巴花
講師:伊達公子、浅越しのぶ、森上亜希子、近藤大生、川田真琴(R-body project)
公益財団法人日本テニス協会から植田実、土橋登志久、中山芳徳、手塚玲美、館崎雅治、満岡英生