「リポビタン Presents伊達公子×YONEX PROJECT ~Go for the GRAND SLAM~」3期生第5回キャンプを新潟の新施設で開催

元世界4位で日本テニス界のレジェンドである伊達公子さんとヨネックス、そして(公財)日本テニス協会が、ともに取り組む女子トップジュニア育成プログラム「リポビタン Presents伊達公子×YONEX PROJECT ~Go for the GRAND SLAM~」の3期生第5回キャンプが、12月17日〜19日、新潟県長岡市・ヨネックス パフォーマンス イノベーションセンターにて開催されました。

今回のキャンプは「弱さと向き合う」をテーマに、ジュニアたちは改めて自分のテニス、身体、そしてメンタルと向き合いました。また、今年8月より運用を開始したヨネックス パフォーマンス イノベーションセンターにて初めて開催されるキャンプということで、最新鋭の計測機器を利用し、データを基に技術の向上を図りました。

「弱さと向き合う」という今回のテーマにおいて伊達さんは「表面的な部分では、これがうまい、これが特徴だね、と言えるものはあるのですが、まだ、確固たるものとは言い難い。それを確立するためには、誰もが持っている弱さと向き合うことが必要」と、その理由を語ります。

自分の弱点を理解し、それに蓋をせずに向き合った上に初めて武器というものが成り立つということ、そして弱さを知ることはネガティブではないということの理解を深めることが一番の目的です。前回では「自分の強みを認識して、それを引き上げる」ことをテーマに。今回は「自分の弱さを理解して、武器をさらに磨く」ことを3日間かけて伝えていきました。

 

そして、今回のキャンプのメインともいえる、スウィングデータの計測は、2種類を2日間かけて収集しました。

初日はモーションキャプチャーを使用し、サービスのスウィングデータを計測しました。選手によっては中山芳徳コーチの指示でトスの高さを変えて打ち、双方のデータを比較するなど、フォームによる数値の変化を確認しました。

2日目は異なる計測機器で、クロスラリーからダウンザラインに切り替えるショットや、リターンの精度をデータ化し、ナイスショットをスピードや回転量で「見える化」しました。

現地スタッフにより、数値による傾向なども浮き上がり、ジュニアたちにとっては、自分の強みと弱みが数値として理解できる良い機会になりました。

 

オンコート練習では、コートをエリアに分け、どこでどういったボールを打つか、そして攻撃に転じるためには予測が必要だということを、徹底的に身体に覚え込ませました。しかしある時、中山コーチがドリル途中で全員を集めて問いかける一コマがありました。

「このドリルを行う上で、アンフォーストエラーをしないということが大前提なのに、みんなは安易にミスをしている。こんな状態で続けた方がいいと思う? それともこのドリルはやめて他のことをする?」

「正解、不正解ではなく、どう考えているの?」と問われ、ジュニアたちは皆、それぞれ考えていることを発言しました。目的がある中でその部分を見失ってしまうと、練習のための練習になってしまうことを自覚させたのです。

伊達さんも「一方的にただ言われたことをやればいいということではないことを、考えてくれた良い時間になりました」と振り返ります。

 

フィジカルトレーニングの時間は、川田真琴トレーナー(R-body project)と館崎雅治トレーナーの元、ボールに入るギア(スピード)を上げることを目的としたメニューを行いました。スプリットステップから加速を最大限に上げ、急激に減速するダッシュ&ストップや、シャトルランからのボールキャッチなど、ペースのあるボールに対して、打つスペースをしっかり作るためのメニューが多くありました。

ゾーンによってショットを打ち分けるドリル練習が多かったため、このフィジカルメニューはオンコートとリンクするものとなりました。

 

5回目のキャンプを終え、伊達さんは「回を追うごとに、選手はもちろんですが、私たちもこのキャンプが良くなっているという手応えを感じます。今年はプロジェクトとして海外遠征を入れていったので、グランドスラムジュニアを目指すということが、ジュニアたちも見えてきていると思います」と語ります。

 

さらに、「今回はさらに数値化するという内容も加わり、弱さと向き合うという点でも事実が見えてきたところがあったかと思います。自分のコーチも含め、このプロジェクトで色々なアドバイスをされている中で、数値化によってより明確に受け止められるのではないでしょうか。私たちもそれに対してどうアプローチしていくか、というところまでやってあげられたら、さらに意味あるものになると思います」と、新たな取り組みに期待を寄せます。

屋内ハードコート2面と、計測用の2施設をフルに活用した今回のキャンプは、プロジェクトとしても新しい展開を創出するものとなりました。

 

「リポビタン Presents伊達公子×YONEX PROJECT ~Go for the GRAND SLAM~」3期生第5回キャンプ

日時:12月17日〜19日
場所:新潟県・ヨネックス パフォーマンス イノベーションセンター
参加選手:石井心菜、岩佐心優、上村睦実、梅田巴花、北岡美空、小坂莉來
講師:伊達公子、浅越しのぶ、森上亜希子、石井弥起、川田真琴(R-body project)
公益財団法人日本テニス協会から中山芳徳、手塚玲美、館崎雅治

写真提供:ヨネックス

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