元世界4位で日本テニス界のレジェンドである伊達公子さんとヨネックス、そして(公財)日本テニス協会が、ともに取り組む女子トップジュニア育成プログラム「リポビタン Presents伊達公子×YONEX PROJECT ~Go for the GRAND SLAM~」の3期生第6回キャンプが、1月28日〜2月1日の5日間、沖縄県豊見城市・豊崎海浜公園テニスコートにて開催されました。
「弱さと向き合う」という前回のテーマを受けた形となる今回のキャンプのテーマは「思考が行動を変える」。一人ひとりが課題を明確にし、向き合い、取り組むという内容となりました。
このテーマにおいて伊達さんは「プロジェクトにおいて、いつもテーマはありますが、自分たちで考えて行動してもらうというものが常に水面下にあります。なんでもこちら側から与えるのではなく、ネガティブな部分もポジティブな部分も自分でしっかりと理解をして、修正していく過程を踏んでほしかった」と、語ります。
得意不得意は人それぞれ違うということから、このキャンプでは2人ずつ3組に分け、テニスとフィジカルを1時間3ローテーションで回るという形をとりました。例えば、ショットの精度を強化したい選手は、一定のゾーンにボールを打ち続ける練習を行い、そこに必要なフィジカルトレーニングを。そして、また違う課題を行う…といった、より個人に特化した内容となりました。
また、前回の新潟キャンプで計測したデータを元に、サーブの練習を毎日行いました。中山芳徳コーチによって、選手それぞれの課題が書き出され、「自分ではやっているつもり」の動作をコーチ陣による指導や、時には動画を用いながら細かく修正していきました。目指すところは16〜17歳で時速170キロ程度のサーブが打てるようになること。トスの精度を高め、身体のローテーションを効率的に使い、打点での爆発を生み出す動きを確認していきました。
そして、フィジカルトレーニングでは、川田真琴(R-body project)、館崎雅治両トレーナーが、トレーニングの意味を説明しつつ進行しました。川田トレーナーは「何のためのトレーニングなのか理由がわかっていなければ、その時にやらされたものにしかなりません。
キャンプだけではなく、継続していくためには意味を理解することが重要です」と、ジュニアそれぞれがキャンプ以降も続けていけるよう指南しました。
このキャンプでは沖縄ならではのビーチトレーニングがあり、2日間ダッシュやジャンプのトレーニングをみっちりと行いました。毎日全身の筋肉痛に苦しむジュニアでしたが、海辺ではその開放感を存分に味わった様子でした。
8月で卒業を迎える3期生のキャンプを終え、伊達さんは「フィジカルにしても、テニスにしても初日はなかなか形にならなかったものが、少しずつ動きが滑らかになったり、正しい身体の使い方ができるようになったりと、良い方向へ向かっていく姿が見られました。もちろんジュニアたち自身も、トレーニングで行ったものをいかにテニスで使えるようにしていくか工夫している姿勢も見られましたし、結果的にボールの質も変わってきました。実際残り時間も少なくなってきている中で、目標を定め、それに向けて動くということが身についてきていると感じますし、それが成長の証とも言えます。自分の拠点に戻っても、最も必要だと思えることを選択してやっていってほしいです」と、残りわずかとなった3期生の成長に期待しました。
最終日には雨によって室内での活動となりましたが、選手たちとの面談によって、方向性を再確認した沖縄キャンプ。グランドスラムジュニアを目指す彼女たちの今後が楽しみです。
「リポビタン Presents伊達公子×YONEX PROJECT ~Go for the GRAND SLAM~」
3期生第6回キャンプ
日時:1月28日(火)〜2月1日(土)
場所:沖縄県・豊崎海浜公園テニスコート
参加選手:石井心菜、岩佐心優、上村睦実、梅田巴花、北岡美空、小坂莉來
講師:伊達公子、森上亜希子、石井弥起、近藤大生、川田真琴(R-body project)
公益財団法人日本テニス協会から中山芳徳、手塚玲美、館崎雅治、土橋登志久、坂井利彰
写真提供:ヨネックス