「岐阜国際ジュニアテニストーナメント2024 Supported by KIMIKO DATE×YONEX PROJECT」閉幕。男子は大垣心太郎選手がITFジュニア初優勝、女子は吉田理世選手が優勝

「岐阜国際ジュニアテニストーナメント2024 Supported by KIMIKO DATE×YONEX PROJECT」(岐阜国際ジュニア)」(2024年12月2日(月)~12月8日(日)/岐阜メモリアルセンター)は、高みを目指す国内外のジュニア選手たちが、ハイレベルな試合を繰り広げ、8日に男女シングルス、ダブルス決勝を行い、無事閉幕しました。

期間中の多くは晴天に恵まれましたが、最終日は雨天のためインドアコートで試合を行い、全試合が終了しました。

 

■男子シングルス

優勝:大垣心太郎選手(INOUE TA)写真左
準優勝:RYU, Chang Min(リュ・チャンミン)選手(韓国)
写真右

決勝スコア 7-5 3-6 7-6(6)

11月に14歳になったばかりの大垣選手は、ITFジュニア初めての決勝でしたが、韓国の17歳、リュ選手と真っ向勝負で競り勝ち、見事初優勝を挙げました。

ITFのシングルスではベスト8が壁になっており、また、前週の愛媛では1回戦で敗退した大垣選手は、「自爆してしまうことが多いので、もっとしぶとくならないと」という気持ちで今大会へ臨みました。

準々決勝で第1シードの岡橋優希選手(ISHI TA)をフルセットで破り勢いに乗った大垣選手は、愛媛大会準優勝の小林兼輔選手(桜田倶楽部)も破り決勝へ進出しました。

オールラウンドでドロップショットやボレーを使ってポイント取るという、プレースタイルが似ている2人の対戦となった決勝は、第1セット、大垣選手が少ないチャンスを押さえて先取。第2セットは、「結構打ってきた」リュ選手にペースを掴まれファイナルセットへと持ち込まれます。

攻守が頻繁に入れ替わる、お互い引かない攻防はタイブレークへ。「とにかくずっと緊張していた」という大垣選手は、6-4のマッチポイントから6-6に追い付かれますが、そこから引くことなく、スピードボールで先に展開し、2ポイントを連取。ITFジュニア参戦約1年で、初タイトルを掲げました。

 

大垣心太郎選手

「一つでも多く勝利をしたいという思いで戦ったので、優勝とかは全然考えていなくて、今はめちゃくちゃうれしいです」と喜びます。「自分のプレーを見てテニスファンが増えるような選手になりたい」という大垣選手にとって、この勝利は今後への大きな試金石となるに違いありません。

 

 

リュ・チャンミン選手

 

■女子シングルス

優勝  吉田理世(松蔭兵庫)写真左
準優勝 服部天寧(三重グリーンTC)
写真右
決勝スコア 6-1 7-5

女子シングルスは、第3シードの服部天寧選手と、第4シードで、愛媛大会準優勝の吉田理世選手の対戦となりました。

吉田選手は前週の愛媛で大腿部負傷のため、決勝途中でリタイヤ。岐阜大会でも腰を痛めメディカルタイムアウトを取っており、「いつも見ていただいているトレーナーさん、大会のトレーナーさんのおかげでここまで来られました」と満身創痍での決勝です。

しかし、気持ちの面では決して落ちることはなく「今大会通して一番良かった」というほど、両サイド両手打ちのストロークがライン際にコントロールされ、第1セットは相手に反撃のスキを見せることなく獲得します。

第2セットになると、スピードボールに対応してきた服部選手が、色々な球種を使いチェンジオブペースを図りますが、「自分のミスを減らして集中した」という吉田が、5-5からの2ゲーム連取で振り切り、J30カテゴリー2度目の優勝を果たしました。

 

吉田理世選手

「優勝のポイントでランキングが上がると思うので、もっと(レベルが)高いところに挑戦したり、海外にも挑戦したりして、上を目指したい」と笑顔を見せる吉田選手。「プロになって世界で活躍できる選手」を目指すその一歩は始まったばかりです。

 

服部天寧選手

男子ダブルスの決勝は、第4シードの源拓真選手(柳川高校)&中富奏太選手(星田TC)が、永嶋煌選手(柳川高校)&中本莉空選手(JACテニスパーク炭山)6-3、6-2で優勝を果たしました。中富選手は前週の愛媛に続き、2週連続優勝となりました。

女子ダブルスは、ノーシードの有馬璃音選手(ITM TEAM)&上田莉恋選手(トップランAIOI)が、第1シードのチョン・ウィス選手(韓国)&イ・ダヨン選手(韓国)に0-6、7-5、[10-3]で逆転勝利を収めました。

 

男子左から中富選手、源選手、中本選手、永嶋選手 伊達さん、女子左から有馬選手、上田選手、イ選手、チョン選手

 

岐阜大会を終え、大会ゼネラルプロデューサーの伊達公子さんは、「前週の愛媛で13〜15歳くらいの選手たちが多く出場していて、『岐阜ではどうかな?』と思っていたのですが、14歳の大垣選手が優勝するなど、若い選手の出場が本当に定着してきたことを再認識できました。女子の吉田選手は2週連続で決勝へ進出し、身体に痛いところがある中でも勝ち切ったところは素晴らしいですし、連続で出場したからこそ、気づけたところや修正できたこともあったと思います。大垣選手は相手が韓国の17歳ということで、向かっていく立場にはあったものの、フルセットのタイブレークという厳しい場面も切り抜けて戦い抜けたことは、今の年齢から考えても大きなプラスになると思います」と若い世代のチャレンジに喜びます。

ITFジュニアは13〜18歳の選手が出場できる間口の広い大会です。ジュニアの2歳刻み、中学、高校の3歳刻みとは違った選手層で戦うことのメリットは、「プロの世界は年齢も関係なく、1人のテニスプレーヤーとして戦っていく世界だということを感じられること。年齢が上の選手は負けられない、下の選手はチャレンジするという、普段は味わえない緊張感で戦えますし、ここで勝つにはどういうテニスやフィジカルが必要なのかと気づくこともできます。また、身体が成長していく中で、自分が目指すテニスの方向性と課題がはっきりと見えてくる」ところにあります。

 

男子左から大垣選手、リュ選手、伊達さん、女子左から吉田選手、服部選手

韓国のナショナルチームが参戦し、男子シングルス、女子ダブルスで決勝に残っていたことも、日本ジュニアにとっては良い刺激となったことでしょう。

「岐阜の皆さんの強力なサポート、そして柔軟なご対応により、今年も無事、大会を終了することができました。ITFジュニア大会として、入り口の広さの重要性も感じつつ、何かを加えていく必要性など今後模索していきたいと感じています」

大会の開催には、西濃運輸、公益財団法人田口福寿会をはじめとする協賛各社、そして岐阜県テニス協会、その他多くの方々のご尽力をいただきました。心よりお礼申し上げます。

 

■スコア

女子シングルス
吉田理世6-1 7-5服部天寧

男子シングルス
大垣心太郎7-5 3-6 7-6(6) RYU, Chang Min〈リュ・チャンミン〉

女子ダブルス
有馬璃音&上田莉恋 4-6 6-4 [12-10] チョン・ウィス&イ・ダヨン

男子ダブルス
源拓真&中富奏太 6-3 6-2 永嶋煌&中本莉空

 

大会公式WEBサイト
https://yonexkdyp.com/itf_gifu/

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