
2026年3月2日から8日まで、福岡県久留米市の久留米総合スポーツセンターにて、ITFジュニア大会「リポビタン国際ジュニア in 久留米 Supported by KIMIKO DATE × YONEX PROJECT」が開催されました。本大会は、元世界4位の伊達公子さんが日本テニスの底上げを目指して立ち上げたプロジェクトの一環であり、今回で5回目を数えます。
ハードコート8面を舞台に、グランドスラムジュニア出場を夢見る13歳から18歳の選手たちが、世界ランキングに直結するポイント獲得を目指して熱い戦いを繰り広げました。
| 種目 | 優勝者(ペア) | 準優勝者(ペア) | スコア |
|---|---|---|---|
| 女子シングルス | 奥山し渚 | 塩見渚 | 4-6 6-2 7-6(5) |
| 男子シングルス | 天野雄太 | 石井貴哉 | 6-3 7-6(6) |
| 女子ダブルス | 岩佐綾香/奥山し渚 | 塩見渚/柴山那奈 | 5-7 7-6(5) [10-3] |
| 男子ダブルス | 稗田光/石井貴哉 | 小林良輔/山口慶二 | 7-5 4-6 [10-7] |
女子シングルスでは、13歳の奥山し渚選手が、精神的にも体力的にも過酷なラリー戦を制して第1シードの塩見渚選手に4-6, 6-2, 7-6(5) と逆転勝利し、頂点に立ちました。
決勝戦では、左利きでスピン系のボールを操る塩見選手に対し、自分から攻められない場面では粘り強くラリーをつなぐ戦略を徹底しました。ファイナルセットのタイブレークでは、リードを許す苦しい状況から集中力を発揮して逆転勝利。3度目のITFジュニア参戦で2度目のシングルス優勝という快挙を成し遂げました。

また、岩佐綾香選手と組んだ女子ダブルスでもマッチタイブレークを制して見事「単複2冠」を達成しました。
優勝の瞬間は「嬉しさと疲労感が同時に来た」と語る奥山選手。技術的な収穫の一方で、感情のコントロールを今後の課題に挙げ、「ITFポイントを取って、グランドスラムジュニアに出場したい」と世界への意欲を燃やしています。
男子シングルスは、第1シードとして今大会に臨んだ天野雄太選手が第7シードの石井貴哉選手を6-3,7-6(6)で下し、J30大会2勝目を挙げました。
天野選手は、「第1シードとして優勝しなければならない」という強いプレッシャーの中、一試合ずつ着実に自分のテニスを展開して勝ち上がりました。決勝戦ではタイブレークまでもつれ込む接戦となりましたが、攻撃的に主導権を握る姿勢を崩しませんでした。

自身の持ち味である「フォアハンドで相手を押し、決めきるスタイル」に加え、最近技術的な進歩を感じているというショットもありました。「バックハンドの安定感が上がったことで、相手に打たれても動揺せず返球でき、結果として得意のフォアハンドもより生きてくるようになった」と分析しています。
愛媛大会以来の優勝を飾った天野選手は、今後より上のグレードへの大会出場を見据え、「レベルの高い大会でも優勝していきたい」と力強く語りました。
女子ダブルスでは岩佐綾香選手/奥山し渚選手組が優勝、男子ダブルスでは、稗田光選手/石井貴哉選手組が勝利しました。岩佐選手/奥山選手はITFジュニアダブルスで初優勝、稗田選手は3勝目、石井選手は単複通して初優勝となります。

本大会は、2020年の愛媛、2021年の岐阜に続き、国内で不足していたITFジュニアの試合環境を整備するために2022年に設立されました。ITFジュニアランキングで100位以内に入ることが一般プロツアーへの近道となった今、国内でポイントを獲得できる場の重要性は高まっています。
今回13歳で優勝した奥山選手、岩佐選手のように、世界への一歩を踏み出す大きなきっかけとなるべく、単なるトーナメントの枠を超え、若き選手たちがプロとしての自己マネジメントや精神力を養う基盤となっています。今後も若年層のエントリーが期待されるところです。

また、大会開催にあたりまして、大正製薬株式会社をはじめとするスポンサー各社様、そして九州テニス協会、福岡県テニス協会、久留米市テニス協会の皆様には大変お世話になりました。途中雨にも降られる中、皆様の臨機応変なご対応により、無事大会が終了いたしました。心より感謝申し上げます。