「リポビタン国際ジュニアin愛媛 Supported by KIMIKO DATE×YONEX PROJECT」(12月7日~11日/愛媛県総合運動公園)は11日、男女シングルス、男女ダブルスの決勝を行い、無事閉幕しました。
今大会は、日本のジュニアたちがグランドスラムジュニアに出場するために、海外の大会へと挑戦するための足がかりとなる、ITFポイントが獲得できる大会で、今回が3回目の開催です。
決勝当日は朝まで雨が降っており、コート整備のため1時間遅れてのスタートとなりました。
男子シングルスは第3シードの前田透空が第2シードの山本夏生に、6-1 6-4のストレートで勝利し、ITFジュニア初優勝を飾りました。
男子はトップ4シードの選手が全員ベスト4に残る順調な勝ち上がりでした。決勝では前田が相生学院高等学校の先輩である山本と対戦することになり、「遠慮せずしっかり勝ちにいきつつ試合を楽しむ」という宣言通り、ストロークで相手を動かして主導権を握り、ネットに詰める場面も多く見られました。実は準々決勝で左の腹筋を痛めており決勝でもメディカルタイムアウトを取りながらの戦いでした。
初優勝について前田は「優勝できると思っていなかったので、驚きと、素直にうれしいです」とコメント。勝因については、「試合になると緊張してしまう癖があるのですが、今大会は勝ち負けより試合を楽しむことを優先してやったら自分のいいテニスができたので、それが良かったんじゃないかと思います」と振り返りました。
女子シングルスは、ノーシードの里菜央が3時間15分におよぶ大熱戦の末に、第1シードの新井愛梨を6-7(5) 6-2 6-3で下し、優勝を果たしました。里は今年の11月に開催された山梨に続いてITFジュニア2つ目のタイトル獲得となります。
第1セットで5-2とリードしていた里ですが、そこから挽回されてタイブレークの末に第1セットを落とします。しかしここで、「もうファイナルに行くしかない」と気持ちを強く持ち、「後悔しなくてないと思って、もっと自分から攻撃してポイントを取ろう」と切り替えたことが勝ちにつながったと言います。ロングラリーが多く、デュースも何度もあり、どちらが勝つのかわからない状況でしたが、最後は里の粘り強さが勝利に結びつきました。
現在高校2年生の里は、今大会がITFジュニア最後の参戦と決めており、「最後の大会で優勝できてうれしいです」と喜びました。
ダブルス決勝は雨のためインドアに移って行われました。男子ダブルスは、第2シードの前田透空/若松泰地ペアが、第1シードの逸﨑獅王/木村一翔ペアに6-3 6-2で勝利。前田は単複2冠を達成しました。女子ダブルスは五島宇莉/石田実莉の14歳ペアが、第3シードの里菜央/田島楓ペアに2-6 6-1 10-6のフルセットの末に勝利して優勝を果たしています。
大会ゼネラルプロデューサーの伊達公子は、今年で3回目の開催となったことで「世界に向けてしっかりとポイントを取るための大会という意識は初回よりも高くなってきて、チャレンジしようという気持が定着している気がします」と、意識の変化についてコメント。「ポイントを取って出場する選手が入れ替わるのが理想的」で、新たに参加する選手たちにとっても、「この大会があるということを見据えてチャレンジするということが受け継がれているのかな」と続けていくことの大切さを感じたようです。
スポンサー各社、並びに愛媛県テニス協会を始め、多くの方々のご協力のもと、無事に開催することができました。来年も多くのジュニアたちの出場、そして活躍を期待しています。
※本事業は「令和4年度スポーツ庁補助事業」として実施されました。
大会公式WEBサイト